会社設立のタイミング
個人事業を始めて順調に軌道に乗り出すと、「法人にすべきか?」という課題が出てきます。設立は早すぎても負担、遅すぎても機会損失。ここでは、具体的な基準や実際の場面をもとに最適なタイミングを整理します。
会社設立のタイミング
法人化を考えるタイミングとしては次の5つの機会が考えられます!
1. 利益が一定額を超えたとき
• 目安:年間利益が 500~800万円を超えるとき
個人事業主は累進課税で最大55%(所得税+住民税)まで上がります。一方、法人税の実効税率は中小企業で約23%程度。
例えば利益が800万円あると、個人だと税金・社保で約300万円以上持っていかれるケースがありますが、法人化して役員報酬で分散すれば200万円台に抑えられることも可能です。
2. 大口の取引や法人契約が出てきたとき
• 例:不動産仲介会社から「法人じゃないと契約できません」と言われるケース
• 例:各種許認可で法人格が前提になる場合
• 例:金融機関からの融資を検討するとき
信用力が必要な段階に来たら、法人化で次のステージへ進むタイミングです。
3. 従業員を雇用する予定があるとき
• 法人は社会保険の加入が義務となるため、福利厚生が整い、採用面で有利です。
• 例えば「アルバイト1~2名で回していたが、正社員を入れたい」と思った段階で法人化を検討するのが一般的。
4. 節税・資産形成を強化したいとき
• 役員報酬の設定 → 所得を分散して家族の控除も使える
• 退職金制度 → 将来の自分の老後資金づくりに有利
• 社宅制度 → 家賃の一部を法人負担にできる
• 生命保険の活用 → 万一に備えつつ法人の経費計上
利益が安定して「余剰資金をどう残すか」を考える段階が来たら法人化の出番です。
5. 事業承継やブランド作りを考えたとき
• 例:不動産業で「屋号より法人名でブランドを残したい」
• 例:親族や社員に事業を引き継ぐ予定がある
個人事業だと事業主が亡くなれば廃業ですが、法人なら株式を承継でき、事業を継続できます。
まとめ
• 利益が 500〜800万円を超えたら税務的に有利
• 大口契約・融資・許認可で法人格が必要になったら即検討
• 正社員を雇う予定があるなら早めに法人化
• 節税・老後資金・事業承継を考え出したら法人がベター
「設立のタイミング」は人によって異なりますが、“利益・信用・人材・将来” の4つの観点から判断するのがおすすめの方法です。